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マノン
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『マノン』に投稿された感想・評価

【過去鑑賞】
 80年代初めの頃、女性を描く監督として有名だった東陽一による、小説マノン・レスコーの日本人による映画化。烏丸せつこもこの時代奔放な女性を演じる女優として有名だった。バブル前夜で男女雇均法直後の日本では、女性の社会進出が始まった頃の時代。性に奔放な女性マノンに翻弄され男は破滅をする。似たようなテーマの作品が多く撮られた。
Jeffrey

Jeffreyの感想・評価

3.5
「マノン」

冒頭、ここは劇団の教室。役者が特訓している。不満な先生の侮蔑的な言葉、一人の女、彼女の名前はみつこ。様々な男と一夜を共にする、サラ金の滝沢、ヤクザの兄のぶ、工事現場の青年、至。バニーガールの仕事。今、胸にチクリと痛む、愛おしい女の物語が始まる…本作はアベ・プレヴォーの小説"マノン・レスコー"をもとにし、脚本を東陽一と田中晶子の共同執筆、監督も同作の東陽一が担当した一九八一年の東宝東映配給の映画で、この度ようやく紀伊国屋書店レーベルから高額なDVDを購入して初鑑賞したが、幻の作品とされている分、期待していたが普通だった。

それより紀伊国屋書店、わりかし値段が高い設定なのだが、紀伊国屋書店と言うだけあって必ず小冊子や復刻版のパンフレットなどが入っているのだが、この作品には一切入っていなくて正直残念である。この作品のオリジナルポスターに非常に引き込まれ気になっていたものだ。津川雅彦や若き日の佐藤浩一、北野武(ビートたけし)などが出演している。因みに北野武はこの作品が映画デビュー作との事。

東宝東和配給で一九八一年公開以降はインデペンデント作品と言うことで上映が限られ、ファンの間では幻の作品とされていたそうだが、ようやく二〇一三年に公開された。デジタルハイビジョンのマスター版にて初鑑賞した。主演は烏丸せつこである。東陽一と言えばアートシアターギルドに残している作品を見たことがあって、他の作品も徐々に見ていこうと思う。 「サード」「もう頰づえはつかない」はATG作品としては好きで、他にも「四季・奈津子」も名作である。

さて、物語は劇団の研究生のみつこは、いつも恋の匂いが漂う健康的な女性である。見た目は破廉恥だが可愛らしい職業のバニーガールの店で働く彼女はサラ金を経営する滝沢と出会い一夜を共にする。彼女にはのぶと言うヤクザな兄貴がいる。のぶは滝沢との関係を知り金づるに策略する。滝沢は松本へ急死した友人の葬儀へ向かう。そこにみつこも同行する。葬儀の間、ひとり残されたみつこは深夜の街へ。そして工事現場でバイトする青年の至と知り合いデパートの屋上で一夜を過ごす。みつこにひかれた青年は同じ特急で東京に出てくる。ある日、みつこの友人からみつこはマノンよ…と言われる。

本作は冒頭から甘いメロディーの音楽が流され、キャスト紹介がされる。ファースト・ショットは眼鏡をかけたどんくさい男が映される。どうやらここは劇団の教室のようで、その男は教師のようだ。男にダメ出しをし、次の審査対象である女性みつこが技を披露するかと思いきやその場に座り込む。カットはその劇団の先生と彼女が休憩場で会話する場面へ変わる。みつこはバニーガールの職場へと向かう。そして更衣室でウサギの耳をつけお店にで向かう。

その店にはサラ金の滝沢と言う男が席に座って酒を飲んでいる。彼女を呼び、ちょっかいを出しながら話をする。二人は繁華街の道を歩く(途中で滝沢がトイレしに行く)。居酒屋につき二人は酒を飲みながら会話をする。 二人はホテルへ、一夜を過ごす。翌日、二人は別れてみつこは一人電車に乗る。そして劇団の先生のアパートにやってくる。女は荷物をまとめて出ていく。一人残された男。みつこは荷物を持って友達のアパートにやってくる。

カットが変わり、劇団の練習風景に。カメラはレオタード姿の女性の健康的な肉体を映す(太腿、脹脛、胸なのである)。そしてみつこは公衆電話で滝沢に連絡し、これから会えるか聞く。公衆電話の外ではのぶと言う男がにっこり笑いながら彼女を見つめる。そしてハチ合わせする。先程の男はヤクザをやっている彼女の兄貴でのぶである。金をセガミにきたが、滝沢が途中でやってきて帰る。その夜、みつこは滝沢とセックスをする。

続いて、滝沢は葬式のため松本に行くことになる。みつこは一人残されてしまう。カットは葬式風景に変わる。滝沢は参列者に挨拶をし、夜宴会をする。カットは変わり、みつこは工事現場で働く青年に出会う。彼が行く所に彼女はついていく。二人はビルの屋上に上がる。彼女は男に名前を聞くと青年は至と答える。そこで不意にお互いに接吻する。カットは変わり、滝沢が親戚らと会話をする場面へと変わる。

続いて、屋上で一夜を過ごした至とみつこが夜明けの中目を覚ます。そして滝沢がホテルに戻ってきて、みつこと朝食をとりに行く。二人は食事から新宿に行くために列車に乗る。その途中で、至がみつこに話をかけ、二人の後をついていく。そうして、みつこの物語が少しずつ佳境へと向かうのであった…と簡単に説明するとこんな感じで、烏丸せつこの魅力全開な作品である。


とりあえずレンタルも配信もされていないからセル版のDVDを購入して初鑑賞したのだが、別に悪くは無いけどそれほど大傑作と言うわけでもない。正直アートシアターギルドで撮っているニ作品の方がダントツで好きである。ただ、烏丸せつこのキュートな破天荒ぶりは可愛らしい。最近政治的な発言をし、ぶっ叩かれていた当時二十一歳の佐藤浩市も初々しい芝居を見せてくれている。

一人の女に周りの男たちが翻弄されていくと言う物語としては秀作ではないかと感じ取れる。津川に佐藤がボコボコにされるシークエンスは面白かった。それに北野武が津川から八万もらってブチ切れてだったら金いらないのかと言われ、いるよと言うシーンも面白い。それと荒木一郎の音楽が流れながら薄着をきた烏丸と佐藤が浜辺のような所を担がれて歩くシーンも魅力的である。このシーンはポスターの絵になっている。

それと北野武ってこの頃からななめんじゃねーよこの野郎馬鹿野郎とかって言ってたんだなぁと新鮮。個人的には八十年代の日本の街並みや風景が見れるだけでも嬉しい作品かな。俺、原作読んでないからわからないけど、多分この作品原作通りじゃないな。マノンと言えばアンリ=ジョルジュ・クルーゾーがベネチア国際映画祭で金獅子賞に輝いた「娼婦マノン」を思い出す。

列車のトンネル内が映されるSFチックな描写も印象的だが、津川と佐藤が缶詰の果物を口にほおばる姿が何とも言えない印象を残す。見て損はないと思う。

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