母子ものというカテゴリーでくくって、
おそらく辛くて観れないだろうと諦めていた作品。
ネタバレもあり、書けることは限られる。
「光をくれた人」という邦題が素晴らしい。端的に、力強く、シンプルな日本語で映画そのものの本質を表現していると思う。
舞台となる荒波に立つ、二つの海を照らす灯台が象徴する、「光」。
誰が誰にとっての光なのかが胸に迫るストーリーを追ううちに、
たとえ報われない形であっても
誰でも自分を近く、遠く、
照らしてくれる光が必ずある
ということに気づき、
自分は孤独ではないことに泣いた。
個人的には
レイチェル・ワイズ演じるハナに感情移入してしまい、探し求めた娘に拒絶される姿が本当に辛かったし、彼女の演じる母親の葛藤が見ている自分の感情と区別がつかなくなってしまった。
彼女の愛の深さが、その後の彼女の行動へと貫かれており、深い説得力を持っていたと思う。
「人として正しく生きたい」
そう思わせてくれる映画は多くないけれど、
望んで選択すれば、
「よい人」
として生きられると思える映画。