ポップな人間ドラマを描いた映画としてはかなり完成度の高い作品に思える。料理一つ一つの撮り方も美しく、料理シーンの撮影も狭い厨房でどうやって撮ったのかと終始気になった。
ただ配役が個人的に少し気がかりだった。アダムをポップでアウトローな男という風に表現したかったのは分かるのだが、この役はブラッドリークーパーが演じるには少し弱い気がする。
ブラッドリークーパーは一種のポップアイコン的俳優であり、ブラッドリークーパーという人物自体が一種のブランド的存在であると私は解釈している。
その点でこの映画はブラッドリークーパーというブランドを有り余らせてしまっているように思える、例えるならダニエルクレイグがトニースタークを演じているような感じだ。
もちろんこの映画での彼の演技は見事でこのアダムという役を彼なりに解釈し表現している姿勢がうかがえるのだが、どうしても違和感が発生してしまう…
ストーリーは王道でかなり楽しめただけにそこが少し気がかりでした。