ゆみモン

三つの顔のゆみモンのネタバレレビュー・内容・結末

三つの顔(1955年製作の映画)
3.3

このレビューはネタバレを含みます

1955年作品
監督:井上梅次
脚本:井上梅次・舛田利雄


ビルマ戦線で命を助け合った三人の戦友、岸健一郎(三國連太郎)、志賀英治(水島道太郎)、小林大三(伊藤雄之助)は、駅のホームで5年後の再会を約束して別れた。
その5年の歳月は早くも流れ去り、再会の日は近づいてきた。
大三は今ではニコヨンで、貧しい中にも再会を楽しみに僅かの金を貯めていた。仲間の協力も得て、貸衣装や貸靴を用意し再会の支度を整えていた。
志賀英治は拳闘家になり、選手権試合を前にして、相手の村山に勝ちを譲れば30万円やると誘われていた。一途な彼だが、肺を止む恋女房の国江を見ては誘惑に負けざるを得なかった。
岸健一郎は、帰国して頼りになる唯一の姉真理がボスの篠田の情婦になっていたので、自分も篠田に踊らされて警察に追われる身となっていた。真理は妊娠してしまい、篠田は彼女を見捨てて逃亡しようとしていた。
いよいよ再会の日、覚えていて東京駅の約束の場に待っているのは大三だけだった。がっかりした大三はふとテレビで英治の闘う姿を見て会場に応援に行った。それに気付いた英治は八百長も忘れて村山をダウンしてしまった。再会を喜ぶ大三と英治。だがその頃、警官に追いつめられた建一郎は、ガスタンクの上で最後の瞬間を待っていた。
八百長試合の約束を破った英治は、大三によって救われる。英治、国江、大三の3人が歩く傍らを、逮捕された岸を乗せた警察車輌が通過していった。


同じ戦場で助け合って生き延びた3人の、それぞれの人生には感慨深いものがある。戦後の何年間かは、みな生きていくのに必死で、ちょっとしたことで人生は大きく狂ったりしたのだろう。

それにしても、三國連太郎の役がほとんど台詞がない(声を出さない)のが不思議で不気味だった。何を狙ったのだろう?