しえ

ロブスターのしえのネタバレレビュー・内容・結末

ロブスター(2015年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

独身のままでいると動物になる世界!
動物になりたくなければ、独身者の施設に入ってパートナーを探さなければならない。
相手を見つけられずに動物になるか、特に好意を感じてないけど、人間のままでいるためにパートナーになるか。
主人公は犬になってしまった兄を連れて施設にやってくる。
施設での風習や生活は奇妙そのもの。
ルールを破れば肉体的な苦痛が与えられ、森で隠れ住む人間を狩らなければならない。無造作に地面に並べられる狩られた人間たち。性処理を手伝ってくれるメイド、スタッフによる性衝動のロールプレイなど。
パートナーになっても、自分の子供でもない子を与えられて、親子として生活させられる。無理やり共通点を作って、自分たちは気が合うのだと納得させる。子供は親に対して偉そうに命令する。
こんなのありなのと驚くばかりだけど、独身=いけないこと、結婚すべき!と認識してる人は一定の割合いるわけで。
結婚しても、愛はなく、なんとなくで関係を続け、子供がいるから別れないだけという人もいるだろうから、そういうところを突いてるのかも。
結婚の良さを押し付けてくる人たちから矯正施設に入れられたような感じ。
冒頭で施設にいる独身者が紹介されるくだりがあり、その中で「血も涙もない女性ということが後でわかる」と紹介された人の行動にゾッとした。
主人公は施設を抜け出して森で暮らすけど、そこは施設とは正反対に不自由で、独身でいるためには恋愛さえしてはいけないという決まり。
施設のルールも気味が悪いけど、森のルールもあまりにガチガチで、心が凝り固まっている、悪い方へこじらせている。
ある夜、森の独身者のリーダーは施設を襲い、カップルの愛情を試す。
愛情って何だろう?
共通点があるって、やはり好意の原点だと思う。
仕草だけで互いのことがわかるのは、その人が好きでよく見ているからこそ。
メイドさんのダンスがシュールすぎて笑っちゃう。
リーダーが親の前では森で生活していることを隠してキャリアウーマンぶってるのも奇妙だけど、独身の娘ってそんなものかもしれない。
主人公はやがて施設では見つけられなかったパートナーを森の独身者のなかに見つけるけど……。
終盤、本当にどうなるのかと心配で目が離せなかった。
途中にちょいちょい残酷なシーンが挟まれるので、何か起こりそうで……。
主人公の恋愛がリーダーに知られた時の罰がひどくて、それがただの嫉妬に見えた。
自分が恋愛できないからだろー!
森で彼らが取っている動物ってもしかして?
しえ

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