数々の賞を受賞しながらも、イランでは映画制作を禁じられた監督。
自身がタクシー運転手に扮し、テヘランの街に暮らす乗客達の人生を描き出すドキュメンタリー。
ドライバーから見た乗客という視点だけでも面白い。
テンポの良いトークショーみたいに話が進んでいく。
金魚を抱えた女性2人には笑いだ。
強盗の顔を見たという男。「僕らと同じ、普通の顔をしている」
批判すると判断されることは許されない、都合の悪いものは見せようとしない国家。芸術に対する締め付けを批判する覚悟で撮られた作品。
そんな地に暮らす人々の生活がある。様々な登場人物、イランの現状や問題を提起している。
ラストがまた衝撃的。カードが無事でよかった。
可愛らしい姪御さんのトークはただモノとは思えず、将来が楽しみだ。
よくこの作品も上映に至ったものだ。支援者の力による、という最後の字幕が苦労を物語っている。
でも監督は戦い続けるのだろう。他の作品も観てみよう。