このレビューはネタバレを含みます
広島に住むある女の人の半生。
戦争ものだと思って覚悟して観たから
想像してたよりも平凡だった。
でもすずさんの立場で考えたら全然平凡じゃなかった。
「よかったよかったって、周りは言うけど、一体何がよかったの?」
大好きな絵を描く右手を失ったときの絶望。
大切な家族を繋ぎ止められなかった自責の念。
「広島と戦争」って言われると原爆を想像してしまうけど、被爆者だけが犠牲者なわけじゃない。
戦争のせいでみんなが大切な人、大切なものを失ってる。
みんな何かを失いつつも、家族や周りの人との関係を大切にしてきたから今の私たちがいるだなと。
戦争という出来事を忘れてはいけない、とはよく言うけど
戦争中に生きた全ての人たちの生活の延長に
今があるってことを忘れてはいけないと思った。
そしてすずちゃん、お姑さんにあのタイミングで謝れられてなかったら広島戻ってて被爆してたかも。と思うと感慨深い。