あられ

バンクシー・ダズ・ニューヨークのあられのネタバレレビュー・内容・結末

4.0

このレビューはネタバレを含みます

神出鬼没な覆面グラフィティ・アーティストのバンクシーは、2013年10月1日から1ヶ月間、ニューヨークで毎日1作品の路上アート展覧会を、場所を明かさずに繰り広げ、その様子をInstagramに投稿します。それをヒントにその作品を見つけようとニューヨーク中を駈けずり回る追っかけファンたち。彼らが撮影したビデオを、バンクシーのドキュメンタリーとして勝手にまとめた映画です😆

ニューヨークの人々の様々な反応が興味深いです。バンクシーの作品を賞賛する人たち、作品に異議を唱える人たち、作品を金儲けに利用する人たち…😆

ニューヨーク市長は、”グラフィティは市民の財産の侵害であり、秩序の崩壊と退廃の兆候を示すものである。他人や公共の財産に損害を与えるものは、私の考えでは芸術に値しない” と非難。NY市警は、グラフィティは違法& 器物損壊罪でバンクシーを逮捕すると宣言し、捜査しますが…😆

バンクシーを苦々しく思っている人たちは、バンクシーの作品を塗りつぶしたり、スプレーで上書きしたり、罵倒する言葉を書き加えたり…w 作品を守るために、樹脂の透明板やシャッターを設置する建物のオーナーたち…w 汚された作品を修復する ”作品の救助隊” まで現れます😆

バンクシー作品で甘い汁を吸いたい人たちは、ちゃっかり作品に囲いをつけて拝観料を取ったり、高値で売れることを期待して、作品を盗む人たちもいます😆

なので追っかけたちは、SNSを駆使して少しでも早くと躍起になって作品を探します😆

映画内では、このようなバンクシー作品で一発当てようとする人たちに対して、罵倒を浴びせて悪者に仕立てあげているけれど、バンクシーに断りなくこの映画を作った人たちも、同じ穴のムジナじゃないでしょうかねww

また、バンクシーはくたびれたおじさんを雇って、セントラルパークで自分の絵を60$で路上販売し、その様子をあとから動画でアップしました。作品を購入したのはほんの数人で、中には値切る人さえいました。そんな怪しそうなおじさんから、普通絵なんて絶対買わないですよww

60$で買われた作品の評価額は、現在25万$になっているそうです。そして、盗まれた作品は全く売れなかったという皮肉w 横取りは許さないというファンの姿勢には感心しました😆


バンクシーにはあまり興味がなかったけど、まるで宝探しのようで、こういうの盛り上がりますね。そんなお祭り騒ぎが楽しいし、面白かったです。バンクシー、めっちゃほくそ笑んでたに違いない😆

バンクシー作品には政治や社会風刺、反戦、反権力などのメッセージが、おちょくったように込められていて、ただの落書きだと思っていた路上アートが、素晴らしいものに見えてきます😆

そして、映画内で紹介されていた落書きのメッカ・ファイブポインツ。残念ながら今ではもう更地にされてしまったようですが、ビルに描かれた落書きは圧巻でした😊
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