1955年
松山善三脚本
小林正樹監督
戦争やそれぞれの生活事情により微妙に変わっていく主人公とその友人たちの青春ドラマの秀作。
もちろん時代背景は現代と全く異なるが、真面目な小林監督の演出が見ていて気持ちの良い作品だ。
ヒロインである久我美子の祖母役の田村秋子が素晴らしく、粋な語り口やサバサバした人柄が小気味良い味を出している。
彼女に好意のある小沢栄太郎(その息子は桜子に惚れている)との爽やかな老いらくの恋?もいい。そしてその田村や小沢が単なる脇役でなく、主人公たち青年たちを温かく見守り時に後押しする重要な存在になっている。
それぞれ職業も家庭事情も異なる若者たちだが、友情っていいなぁ~と素直に思った。
みんな収まるべきところに収まった形のラストだが、それがわざとらしくないのが上手さなのだろう。