ピンフまんがん

光のノスタルジアのピンフまんがんのレビュー・感想・評価

光のノスタルジア(2010年製作の映画)
3.8
この映画は、最初は何の予習もせず見ていた。最初は単に天文学的な科学のお話なのかと思ったら全然違っていてシリアスな政治的ドキュメンタリーであった。内容はチリの70年代から起きたピノチェト政権時代の爪あとをさぐりながら現代でも当時の出来事に苦しめられている内容をえぐっている。チリにこんな歴史があったなんて知らなかった。何でもこの監督さんのパトリシオ・グスマン氏は一貫してチリの政治的ドキュメントを撮り続けている人で世界的先駆者の一人でもある。科学の進歩と宇宙の壮大なロマン、そしてそこにわたる地球で繰り返される人間の残虐性という「対比」が強烈な印象として私たちの心に残る。いやはや、なんとも印象的な作品であった。