Aki

ニーナ・シモン 魂の歌のAkiのレビュー・感想・評価

ニーナ・シモン 魂の歌(2015年製作の映画)
4.1
音楽だけがニーナシモンを自由にしてくれる。
ゴスペル、ソウル、ブルース、etc...
それらが渾然一体となり優しく奏でられるピアノ、力強く鳴る歌声が心に響く。


精神的に不安定になってしまった原因は様々あるにせよ、特に元夫によるところが大きいと感じさせる内容になっていた。
幼い頃からひとり白人のピアノ教師の家に通ったり、家族を支えなければいけない状況だったが真実を伝えることもできなかったり、同胞たちが亡くなっていったり、孤独に常に晒されていた生涯だった。ただ、最後のきっかけはDVや彼女への無理解だったろう。

公民権運動の時代に生きて差別に怒っていた。しかしその歌からは彼女の置かれていた人生の状況についてのブルースが聴こえる。


ほんとうはピュアにクラシックピアニストになりたかったことが伺われた。
もしそうだったとしてもやはり歴史に残る演奏家になっていただろう。


Ain’t got no, I got life.

彼女は公民権運動当時の自身の活動の全ては肯定できていないようだったが、今この現代においては、改めてその音楽が求められているように思える。
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