感傷的な性の記憶
"What's the meaning of life?"
"LOVE."
「美しく暗く深い森」に入っていくように過去に向かっていく『アレックス』を彷彿とさせる構成だけど、これは現在から記憶の深淵へと逆行する、という感傷的で、全く意味が異なる作品になっている。
息子の名前がギャスパーで、元カノの浮気相手である元カレがノエ、寝室に『エンター・ザ・ボイド』のラブホ、棚に『MIMI』、(アヘンを入れていた箱もよく見えなかったけどたぶん何かだと思う)、ビール瓶で頭を殴る、セックスクラブ、映画監督をめざす主人公、と他にもメタな演出があって、これはギャスパー・ノエの(自伝とまでは言わなくとも)かなりパーソナルな作品ということなのでは、と勝手に思った。
2023-266/字幕