前半は手放しで面白い！香川照之の噛み合わない会話。「え、犬躾けるんですか？」不気味で笑える。ヌルヌルと近付いたり遠ざかったりするカメラワーク。だんだん暗くなったり明るくなったり。人が増えたり減ったり。じわーーっと不気味さを感じさせる演出が絶品。超気持ち悪い。めっちゃ焦らされる。
後半、あまり答えを教えてくれない。でも黒沢清に(そして映画全般に)慣れてから見直すと、それでいいと思うようになった。家の配置は謎のままでいいし、川口春奈は以前に同じように被害にあったんだねーでいいし、異界のような不気味な部屋も黒沢清映画的な廃墟を張り切ってやりすぎたんだ ってこと。
もうちょっとポップに振って答えがほしい観客にサービスしてもいいと思ったけど、それでも黒沢清では十分に大衆受けを狙った作品だ。広く見られたからこそ、たくさんレビューがついて低評価になってしまうわけです。
