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後妻業の女のasaのネタバレレビュー・内容・結末

後妻業の女(2016年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

まず最初、出だしの豊川悦司の語り!声が良いのはもちろんなんだけど、それ以上にあっけらかんと悪気がないのが面白くて。

そして大竹しのぶさんの演技!凄いなぁ。さすがです。口をへの字に曲げて、いかにもがめつい大阪のおばちゃんで。自由で変幻自在で憎たらしくて。
で、憎たらし過ぎて爽快感さえあって。
欲にブレがない。柏木が可愛いく見えるぐらい。しかもしぶといのが良いですねぇ。

ブラックだとか、皮肉が効いてるというより彼等の悪業が突き抜けちゃってて現実味がなく、しかも老いも若きも、みんながみんな力強く生命力に溢れているから最後まで面白く観れました。
みんな負けてない。

ラスト。
朋子が見ていた彼等は海上でキラキラ輝いて笑ってたけど、私にはあれは幻で、実際には彼等は留置所にいるんだろうなと思えました。
あれは朋子が、私たち観客が、小夜子と柏木の欲や生命力に当てられたが故に見える残像、蜃気楼だったんじゃないかなって。
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