焙煎マン

ベイビー・ドライバーの焙煎マンのレビュー・感想・評価

ベイビー・ドライバー(2017年製作の映画)
3.5
音楽をありきのアクションという新感覚映画
発想としてはカートゥーンアニメでクラシックに合わせてキャラクターがアクションを起こすのと似ているかな
音ハメがカートゥーンみたいに細かいわけじゃないから同じではないが、よくよく聞いてみれば発砲音でリズム取っていたりとかさりげない音楽へのアプローチがグッド

お話的にはロマンスとカーアクションクライムムービーのミックスといった感じ
主人公は悪になりきれないセンチな青年だけど、自分の大事なもののためなら危ないこともやってのける
静かで危険な男。特に真新しい展開のあるストーリーじゃないし、アクションが見どころなわけじゃない
でも彼のベイビーとしての生き方とデボラと普通に過ごしたい欲求の相対的な意欲が分かりやすく見やすかった。

本来ならば、彼は普通の青年だけれど家庭的な問題や、色々な成り行きで強盗の手助け、ドライバーをしているわけだがここの掘り下げはあまり無かった
家庭の問題も母親と父親が喧嘩をしていたらしいこと、そのせいで事故が起きて耳鳴りの後遺症が残ったことは分かったが…
その後何やかんやで、ドクの車を盗んで半ば強制的にドクから強盗専属ドライバーをすることに…ここのはっきりとした部分はもうちょい背景が見たかったです
もちろん映さないことで作中での彼をベイビーとして書ききって、本当の彼であるマイルスが最後に明かされるという構図なのは分かるんですけど
彼の人生や人となりもあまりハッキリと書かれなかったので、裁判で証言から判決が軽くなるシーンがちょっとご都合的に見えてしまう。説得力に欠けた
それに車を強奪したけど荷物を返してくれたから良い人なのかもと証言するお婆さんいたけど

車を強奪された上に「携帯だけ返して」という要求を無視されたチンピラのことを考えると、別に荷物返したから良いってわけじゃない気がします
もっとも携帯で音楽を流したいというベイビーの音楽に対する固執であるのは分かるんですけど、そこの統合性がちょっとズレてるかなーって
深く考えると裁判の説得力、やっぱり薄い。

映像とセリフと雰囲気は好きだけど細かいなんだかなぁ〜が残りました。
焙煎マン

焙煎マン