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バービーのKYONのレビュー・感想・評価

バービー(2023年製作の映画)
3.0
<前半は悪くない、後半は色んな人のやりたい事や不満が詰まりすぎてる>

思慮浅さを指摘されることを危惧してか、うまい具合に特権構造を意識した風に上澄み系役者を使ってポリコレセンサーを掻い潜りつつ(まぁまぁ露骨な沈黙のさせ方)、それでいて本来の世界観が損なわれないように(恐らくこれが一番大事、別に悪いことじゃないけど)バイナリの心理的安全地帯に落ち着かせた、現代でいうおそらく"正解"という名のミドルグラウンド映画でした。(なんだそれw)

これが色々受賞することも、SNSマーケ等各位に勉強すっ飛ばした客観性損なってるバカがいることも含めて想定内かつ非常にリアル。全部見越した結果、超法規的に(?)好かれようが嫌われようが、話題性には事欠かないので資本主義的には必ず成功するというセオリーが今回もまた証明されたようです。開始10分で金権主義に切り込んだかと思いきや、大ブーメランというこの伏線回収速度は異常、きっとこれは自己風刺コメディ。(感想が怖すぎ) 炎上商法なんていう言葉がありますが、資本主義は"振れ幅"さえあればなんでもいいのです。

きっとこれが面白いと感じたあなたは幸せです。(サイコパス診断?)

いつも血を血で洗う作品しか見ていない私(※沽券に関わるレヴェルに到達したため、先日カンフーパンダをおすすめされました)かつLA至上主義者の私にはたまにはこういうのも悪くないかも(清々しいまでの主観)
来月LAでワッサー豪遊するので(?)バイヴスが高まりました。

〜という大人の怖い話はぜんぶ抜きにして、
重要なのは前半そういう外観に惑わされずにこの映画を観れるかどうか、かもしれません。(え?)

楽しかった子供時代、大人になる期間を経て私たちは生きていて死に向かっている。
終わりのない日常に老いや死という、子供や彼らのおもちゃの世界では避けられる概念が、普遍の世界線にエッセンスとして加わるとどうなるか?死は生きる活力になる、割とシンプルにそのメッセージはよかったですかね。
過剰な情報の波に晒される代わりに、人形遊びをしていた子供時代があった人に響く映画かもしれません。

全てを簡単に調べて知り尽くせる今、従来型の"子供らしさ"という自由発想の機会を奪われた子供たちは、時として恐ろしく達観していてるような、、子供が最近あまりにも現実に晒される段階が早すぎる。どうせわかるならもっと後でいいじゃんって思います。
共感性や感受性は今日どうやって身に付けるんだろう?
みんなどうやって大人になったんだろう?

(なお後半は丸ごといらない、マジで脚本別?って思うくらい稚拙な風刺かつ一貫性のない不可解な要素も多くて不要だった笑 自己認識の欠如ごときでつまづいてゴチャゴチャ長尺に騒がないでほしい 一番最後のシーンも全カットだろコレw)
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