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マダム・フローレンス! 夢見るふたりのKotaのレビュー・感想・評価

3.6
“どれだけ非難されようが、歌った事実を消すことはできないわ。”

嘘とは。ついてはいけないと子供の頃に教わるけど、本当にそうなのだろうか。こと映画においては沢山の嘘が登場する。自分の為につく嘘、誰かのためにつく嘘、そして嘘に気づいてないフリをする嘘…。

この映画でも第二次世界大戦下NYでのマダムフローレンス(メリル・ストリープ)の大変音痴な歌声を、旦那、ピアニスト、講師、観客皆んなが嘘をついて褒めた。きっとそれは自分の為でなく、懸命なマダムを悲しませたくないという一心で、何かに真っ直ぐな人を非難できない、それが人間の本質なんじゃないかな。メリルが“プラダを着た悪魔”のミランダ振りに強烈なキャラで愛さずにはいられない。

いかんせん僕も爆笑はした一人だけど(笑)、それと同時にとても温かい気持ちになった。この世は嘘で溢れているけどだからこそ笑顔でいられるのかも。浮気を肯定しているわけではないけどね(笑)。
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