のすけ

葛城事件ののすけのレビュー・感想・評価

葛城事件(2016年製作の映画)
3.8
めっちゃ好み。この重たくて鬱な感じ。
「附属池田小事件」「土浦連続殺傷事件」「秋葉原通り魔事件」「池袋通り魔殺人事件」あたりを参考に書かれたらしい。
家族の崩壊を父親を中心に描く。

自己中で横柄な父親
現実逃避し思考停止に陥っている母親
順調を装い仮の人生を生きている長男
引きこもりで静かに狂って来ている次男
 
終始惹き込まれる展開で、崩壊までのカウントダウンを観ているよう。
家族4人のキャスティングはお見事。はまっている。
ラストも好き。

唯一獄中結婚の女のプロットだけ、本当に必要だったのか『?』でした。ちょっと作品全体の焦点がぼやけてしまった印象。
まあでも家族から離れた客観的視点の彼女がいるからこそ、余計にこの物語の暗く重たい闇のようなものが鮮明に描けているのかもしれない。