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パディントン 2のNMのレビュー・感想・評価

パディントン 2(2017年製作の映画)
3.5
1をさくっと振り返ってから本編がスタートするので、2から観ても問題ない。
私は1が面白かったので2も観てみることに。


今ではこの街に馴染むことのできたパディントン。
故郷のルーシーおばさんに誕生日プレゼントを贈りたいがお金がない。
そこでパディントンが仕事を始めるとトラブルの連続。
果たして無事プレゼントを贈れるのか……。

1作目同様、本作も子ども向けでもあるが大人も楽しめる。
面白おかしいハプニングや、そんな馬鹿なという展開も多いが、大人なら分かる妙に示唆的なシーンなどが様々にミックスされており、幅広い層にお薦め。

慣れない仕事のつらさ。仕事ができるようになっていく嬉しさ。積み上げた信頼を失う悲しさ。濡れ衣のやるせなさ。裏切られるショック。

基本的には楽しい作品だが、とんでもなく悲しい展開や深みのあるシーンも多く、クマなのにやけに現代人の共感を誘う。

「小さな仕事でもマジメにやるんだ」
「誘惑に負けず ケンカせず 真面目にコツコツ生きよう 自分の稼ぎを大事に使い」「周りの人を愛せば人生はもっと楽しい」

時々出てくる真っ直ぐ過ぎる正論もこの作品でなら浮かない。
特に、親切は前作から続くテーマの一つのようだ。

ブラウン家のキャラクターも変わっていない。まずママが信じ勘づき、パパは頭が固くて真実に気付けない。だがもちろんいざという時に大活躍する。

字幕版、吹替版、両方観てみたが私は吹替版の方が好みであった。

まず吹替版のパディントンは松坂桃李だが、これが作品の重要な鍵となっていて、子どもだけど上品な人格が声で表現されている。
パパ役古田新太も頼もしい人格がしっかり伝わる。

字幕版のパディントン声優は何だか普通の成人男性ということしか伝わらない、というかそのかわいい見た目に合っていないように思えた。
しばらく観てから人物像が分かってくるのでは、特にパート2であるこの作品においては時間のロス。
映画では声と外見で人となりを判断するので、見た目に反していう設定でもない限り、それができるだけすぐ分かるのが理想だと思う。
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