ちろる

つむぐもののちろるのレビュー・感想・評価

つむぐもの(2016年製作の映画)
3.7
終わりを迎えかける時でも手放せない大切なもの。
頑固な和紙職人の老人を演じた石倉三郎さんがハマっている。
キム・コッピも邦画で観たのは2回目ですが、彼女の素朴さが風情ある日本の田舎町に溶け込んでいて、設定としては少し違和感があったこの物語にいつのまにか引き込まれてしまったのはこのキャスティングのおかげなのかも。
ぶつかり合いながらも、頑固ものの老人と、全く文化の違う若者が分かち合うなんて作品はごまんとあるけど、ちゃんと介護問題という現代らしいテーマに着目して、人と人の真のふれあいとは?をこの二人を通して考えさせてもらえることができる。

そりゃ、誰もが2人のように魂ごとぶつけ合うなんてできるわけではないけど、介護もこの2人のように生々しく人間として向き合えたらもっと介護者の重荷が軽くなるのかもしれない。
そしてルールにがんじがらめにならない、その人らしい介護が許されることで、介護士さんたちの負担が少しでも楽になれればと願うばかりです。
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