りょう

日本で一番悪い奴らのりょうのレビュー・感想・評価

日本で一番悪い奴ら(2016年製作の映画)
3.6
 7年ぶりに観ました。悪人が主人公の映画はたくさんありますが、ここまで魅力のない悪人ぶりは滅多にありません。普通の作品なら、悪人なりの優しさや信念などが描かれます。多少なりとも主人公に共感できなければ、映画のキャラクターに相応しくないからです。
 そのセオリーからはずれているのは、これが実話をベースにしているからかもしれませんが、諸星のキャラは一貫してわかりやすいので、映画としては面白いです。正義感はあっても、ちゃんと教育しなければ、それが間違ったときに軌道修正できず、暴走するしかありません。こんな組織だったなら、それを期待することもできないばかりか、むしろ助長するだけですが…。
 諸星は、女性にも優しくないし、仲間は殴るし、善悪の区別をわかっていながら言動が伴わないという、絶対に警察官なんかにしてはいけない人物でした。彼らがやっていることはハチャメチャですが、ほどよい熱量の演出で、ほぼコメディのように展開するので、風刺的な作品としては観やすいです。
 暴力団対策法が施行されて、当時からは警察と反社会的組織の関係性も変化しているのでしょうが、現代でも汚職を根絶できているとは思えません。政権与党ですら組織的に“裏金”づくりをやっていたわけだから…。
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