やま

海よりもまだ深くのやまのレビュー・感想・評価

海よりもまだ深く(2016年製作の映画)
4.0
映画って見る時間によっても感想が変わってしまうと思うんですけど、夜中、朝方に見た今作。心に沁みた映画であった。

是枝監督の映画恥ずかしながら初めて見ました。あまりにもメジャーなテレビでもよく見る役者ばかり使う監督っていう印象で、広瀬すずとかでてるとどうしても、テレビの人って感じがして映画の中の人って感じがしなくてあまり見る気にならないんですよね。

元嫁に未練がタラタラ。1ヶ月に一度だけの息子に会うのが楽しみで仕方ない。
しかし日常はお金がなく少し入るとギャンブルに使ってしまう。ギャンブルやめなさいと言われると、違うおれは夢を買ってるんだと言い張る始末。自分が成りたくなかった大人、そして一番成りたくなかった父親の姿に重ねてしまっている主人公。
そんな主人公がちょっと成長する物語。

この映画、登場人物たちのセリフがとても良い。ユーモアのあるセリフがあるとかそういうわけじゃない。一つ一つのセリフが発言者のキャラクターと一致していて、まるで本当のある家族の一部始終を見ているそんな感じがした。この会話だらけの映画なのだけれど、全く飽きない。阿部寛演じる主人公が心配で仕方ないんだ。

特に樹木希林さんの役は、どこにでもいそうな、ずっとせかせかと動いてるおばあちゃん。家族が大好きなおばあちゃん。そんな姿に観客の中には自分のおばあちゃんと重ねて共感してしまう人もいるんじゃないかなと。てか樹木希林さん、本当すごいな。

宝くじに夢を見た少年と樹木希林のシーンが非常に印象的だった。
なかなか幸せになれない家族の願いが見え隠れしてるそんな悲しい映画でした。
やま

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