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天国はまだ遠いの隙間のレビュー・感想・評価

天国はまだ遠い(2015年製作の映画)
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面白かった。登場人物らが交わす会話に引き込まれる。存在と不在、撮影者と被写体の権力性、他者の理解などさまざまアイデアが詰め込まれている。
米米CLUB「浪漫飛行」のような明るい雰囲気で始まると思いきや、AVのモザイク付けや自慰行為、露悪的な言動、社会からの疎外など、雲の下にある世俗的な世界では人間的な暗さが目立つ。
三月は天国にも行けず、人間でもない中間的な存在。底抜けの明るさと奥底の暗さとのあいだにいる。
まぁ何というか、ある種の人間のどうしようもなさが、幽霊、憑依とかフィクション性の強い設定から浮かび上がる。虚構性が強いにも関わらず人間の重層性がしっかり表現される作品はやっぱり面白いなと感じた。
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