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少女のdaiyuukiのレビュー・感想・評価

少女(2016年製作の映画)
4.3
桜川女学院高校に通う高校2年の由紀(本田翼)と敦子(山本美月)は幼い頃からの親友同士だった。 
敦子は幼い頃から剣道を習い将来有望と期待されていたが、高校の団体戦でミスをしたことを機にいじめの対象になってしまう。 
いじめは日に日にエスカレートし、クラスの女子が敦子を集団でいじめても助けることができずにいた由紀は、彼女のために小説を書き始める。 
けれど、ようやく完成した小説の原稿が何者かに盗まれてしまう。ほどなくして国語教師の小倉(アンジャッシュ小嶋)が文芸誌の賞をとったことを知らされ、由紀のなかに大きな怒りが生まれる。
そんなある日、紫織(佐藤玲)という転校生がやってくる。彼女から「親友の死体を見たことがある」という唐突な告白を聞いた由紀と敦子は、死体ではなく人が死ぬ瞬間を見てみたいと、夏休みを利用してそれぞれ老人ホームと小児科病棟へボランティアに行くことに。
死に囚われた彼女たちは死の瞬間を見ることで何を変えたかったのか。 
少女たちが抱える闇は思いもよらない結末に向かっていく…。 
「告白」に続く湊かなえ長編小説が、待望の映画化。
元教師の祖母の虐待に苦しむ由紀の絶望と殺意、剣道日本一の実績で推薦入学したのに大会で負けていじめが原因でパニック障害になり苦しむ敦子の「死」に引き寄せられながらお互いの存在が救いになっていたふたりの、敦子は由紀が由紀の手の傷について嘘をつき自分を小説のネタにして彼氏を作り別の世界に自分を置いて離れたと誤解し、由紀は敦子が自分から離れて別の親友を作っていったという誤解が、由紀の難病の少年との交流そして敦子の老人ホームでボランティアする時の先輩ヘルパーとの関係を通して次第に溶け再び友情で結ばれるストーリーと由紀や敦子が抱える自殺願望から実際に死の瞬間を見ることを願って実際に死の瞬間を見ることでふたりに起きた変化の青春ミステリーな展開が、由紀が書いた小説を盗作して悪行がバレた国語教師の自殺や援助交際を敦子に唆す転校生紫織が秘めた中年男に対する嫌悪と由紀の難病の少年との交流や敦子のヘルパーの先輩との交流と次第にリンクしていく湊かなえ特有なストーリーが、思春期特有なちょっとした誤解やすれ違いが原因で絆が切れてしまう危うさや男と中年男に対する嫌悪や無頓着に傷つける残酷さを的確に表現したモノトーンの映像や本田翼と山本美月の心の闇を的確に表現した演技で描いた傑作青春サスペンスミステリー映画です。
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