まぬ子

映画 聲の形のまぬ子のレビュー・感想・評価

映画 聲の形(2016年製作の映画)
3.9
よかった。すごく良かった。

聴覚障害がある西宮さんは、何か言われてもとにかくニコニコしていて、きっと親からの言いつけや今までの経験から「うまくやり過ごす」自分なりの術だったんだと思う。
それが同級生たちにはヘラヘラして映って、イジメの対象になったわけだけど。小学生や中学生の時なんて、大した理由がなくてもいじめられるんだけどね。

主人公・将也は西宮をいじめた側だったが、一転し、いじめられる側になってしまい、自分のやったことへの自責や周りからの疎外に耐えきれず、自殺未遂にまで至るわけだけど、案外こういうケースはよくありそうだなと思った。
程度の差はあれど、いじめた事もあるし、いじめられたこともある人が多いと思う。
いじめる人、見て見ぬふりをする人、止めているようで笑って何もしない人
誰もがどれかに当てはまるんじゃないかな。


贖罪で何かをする気持ちがあるだけで、もうその罪は許されているんじゃないかな。

好き、という言葉が伝わらないシーンが辛かったなぁ。


小学校で一緒だった耳に障害があったエリカちゃんを思い出す。
西宮さんと違って少し聞こえるが障害があるエリカちゃんは、かなり卑屈な子だった。常に疑心暗鬼で、卑屈になっていたんだと思う。子供の頃は未熟で、その卑屈さが被害妄想に見え、不快だなと思ったものだけど、大人になった今ならその卑屈さにも理解を示してあげられる気がする。
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