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聖の青春のkogureawesomeのレビュー・感想・評価

聖の青春(2016年製作の映画)
3.0
子供の頃からネフローゼにかかり病気に苦しみながらも羽生善治に匹敵すると言われた棋士村山聖が29才で亡くなるまでを描いた映画です。
原作が私はとても好きです。羽生善治役の東出昌大、似てました!

映画に描かれてなくて
原作の中で自分がとても
印象に残っている部分をあげます。

映画だとリリー・フランキーが演じている森信雄がはじめてとった弟子が村山聖だった。森が30才、 村山聖は13才だった。しかし師匠の森の方が弟子の体調を気にして、村山聖が好きな少女漫画を買いに走ったり、髪を洗ったり、看病をする。「どちらが師匠かわからない」と言われた。
森は見出し並みを気にしたりしない人物で村山が爪や髪を伸ばしていても口うるさくしなかった。ちょっと一風変わった師匠だった。
村山聖は寝る時、水道の水の雫をポタポタ出している。それは水の音が聞こえている間は自分が生きているとわかるからだという。
村山聖が20になった時、麻雀している森のところに行き、「僕、今日誕生日なんです」と言った。麻雀に気をとられて話し半分で聞いていて「そうか、よかったなあ」と言うと「20まで生きられると思ってなくて」と聖がはにかんで言って帰っていく。その時、森はハッとする。
森は師匠なのに将棋で村山聖に一回も勝ったことはない、だが村山は「(森は)自分にとって世界一の師匠」だと書いている。
また、「3月のライオン」の監修をしている先崎学棋士(『うつ病九段』)とは村山聖は友人だった。映画では柄本時生が演じている。
「村山聖は、普通の青年が当たり前のようにすることをしたいという願望が強かった。そのため麻雀を打ち、酒を飲み、人生を、将棋を、ときには恋を語り合った」酒は体に毒なのに、飲んで救急車で運ばれる度に、先崎学は二回も付き添っている。
先崎学が書いた村山の追悼文は胸がしめつけられる。
『3月のライオン』に出てくる病気を持ちながら将棋を指している太った二海堂晴信は村山聖をモデルにしている言われている。

村山聖は命を削って、燃やしていたと思いました。
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