今の20、30代の僕と同じ世代の人たちは特に反感を持つシーンが多数あるのではなかろかと思う、ぼくもなんかこう恥ずかしくなって目を逸らしたくなるようなことが何度かあった
今の価値観で古い映画(いっても93年とからしいけど…)を糾弾するのは一旦やめておいて、実りのある描写に焦点を絞るとすると、やっぱりたびたび披露される先生の人徳とユーモアが滲む説法が外せない
こういうのって″校長先生の話″的に一般論を得意げに開陳してみせる聞き手にとってはやり過ごす時間に堕しがちな気がするけど、内容の趣もさることながら松村達雄の醸す″いいひと″味に気づけば惹き込まれてるしちゃんと聞いてしまう
特に空襲で家を焼き出されて笑ってまうくらい手狭な家を間借りしてた時の、鴨長明、方丈記にまつわる話はよかった
まさに流れる水のように時と共に形を変えてある時は満月に、ある時は野良猫に感動しながら生きていく
でも教え子達が大国様なのはいいとして、奥さんにももっとまともに感謝してあげてほしかったな、これも時代の違い？
