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新宿スワンIIのTSのレビュー・感想・評価

新宿スワンII(2016年製作の映画)
3.5
【横浜に形成される王国】75点
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監督:園子温
製作国:日本
ジャンル:ドラマ
収録時間:133分
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 1を見た翌日に鑑賞。面白かったですが1の方が好みでしたかね?2にありがちな、フィールドを広げるというもので、1は新宿が舞台でしたが、今作では舞台の中心が横浜になります。新たな敵が登場して、これまで対立していた人達と手を組むというのはありがちなプロット。普通に楽しく見れましたが、やはりがむしゃらにスカウトマンをしていた龍彦の様子を描いていた1の方が面白かったかなと感じました。

 今作最大の敵は、横浜でタキ王国とも呼ばれるほどのシマを形成している滝マサキ。彼は昔、バーストの幹部である関と同僚関係だったのですが、ある事件以降疎遠になってしまいます。なので、今作ではこの二人にスポットがあたるため、関を除くバースト側の人間にはあまりスポットがあたりません。特に前作ではかなり目立っていた真虎が完全に脇役だったのが残念でした。さらに、主人公である龍彦が、やられっぱなしの中あまり活躍しないのがややストレスがたまります。いや、龍彦は前作でもかなりやられてはいましたが、龍彦が女を助けたりする武勇的なシーンが多かったのでよかったです。今作はそのあたりのカバーも少なめなので、少し物足りなかったかなと感じました。

 途中で薬物の交換やヤクザの描写が出てきますが、見ている人たちはハッと途中で気付かされます。そうか、このガラの悪い人たちはあくまでスカウトマンであり、ヤクザではないんやと笑 素人目線からするともうどっちでも一緒やんけと思えてしまうのですが、当然彼らにはそこの境界線は明白であり、ヤクザみたいな真似事はしたくないと思っているようです。タキがとあるシーンで「チャカなんて言葉使うなや」と言っていたので、その認識はあるのでしょう。なので、決して任侠映画ではなく、あくまで新宿で稼いでいくスカウトマンの話。そこは境界線をはらないとなと思いましたね笑

 あと、前作でほとんど目立たなかった洋介がキーパーソンとなっていましたが、あまりパッとしない。それならば前作で目立っていた人をもう一度目立たせた方がよかったのではと思ったり。まあ原作の問題があるのでなかなか変更は無理かなとも思いますが。ということで、前作と比べて、ということくらいで単体としてみたら普通に面白かったですよ。続編はもうしてくれないかな。。
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