キンキン

青春100キロのキンキンのレビュー・感想・評価

青春100キロ(2016年製作の映画)
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渋谷UPLINKにて、月刊平野勝之の特集で鑑賞。

今回はAVというより上原亜衣さん引退のために企画された一部で、ファンであるケイくんが100キロの道をマラソンし彼女に会いに行くまでのドキュメンタリー。SEXの為にね。平野勝之といえば、これまで女優・スタッフが監督の演出に痛い目に遭いながらもとんでもない映像をお届けしていたのだけども、本作ではこれまで自分がやってきたようなことを逆に素人に挑戦させているように感じました。だから、監督本人が主人公ではない為「つまんねーな、なんか起こんないかな?」と何かアクションを起こそうと企てる。もう、平野監督のクソマイペースというか無神経な様子が緊張をほぐては笑ってしまいました。

作品的には「白 THE WHITE」に近いかな。

ドキュメンタリーなだけに、何が起こるかわからないというのを監督だけでなくスタッフも理解しているのが面白くて、マラソンの途中でトラブルが起こります。監督を含め「プライバシーゼロ秘密ライフ」の榎本靖さんといい、小坂井徹さんがしっかりと自分らの今置かれている状況をしっかりと撮影していては、「これは、やらせなのでは?」と勘違いしてしまう。よくカメラを回しているよなー。さすが平野組だ!

ただ、約2時間は少しだるい。素人さんの面接の時にケイくんが「他の人とは違う」とプロデューサーに選ばれ、撮影も4日前に決まっては急ピッチの中でやっていたんですね。それでも、監督、上原亜衣、ケイくん、の魅力は十分に感じました。


平野作品といえば、映像の途中途中にピタッと一時停止する演出が醍醐味としてあるんだけど、今回なかなか出てこいない...と思っていたら!なるほどなー、そこにいれるか!今までVHS画質の作品を見ていただけに、デジタルとなった今の画質に少し違和感も感じたけど、変わらない作風を見るとファンとしては嬉しかったです。

劇中には、上原亜衣さんの最後の撮影の様子もあって「100人中出し」の新作の一部もあります。集まった100人の素人が孕ませ隊と守り隊に分かれて、上原亜衣さんを中心にそれぞれの攻防が繰り広げられる企画物で、そのとんでもない大規模な内容に前作を鑑賞したのですけど、抜きに特化しすぎていて面白みがなく楽しめなかったんですね。AVだからしょうがないんですけど。これで、タイガー小堺監督が嫌いになったんです。でも、そこには上原亜衣さんなりの優しさと言うかAV女優という彼女の思いがあったんだなーっと今回鑑賞して、実感しました。そりゃ、沢山のファンといいこうゆう忘れられない大規模な企画するよ。

タイガー小堺監督は「そんなもんか!」と、怒鳴っていたのが鼻についたのですけど、ああゆう撮影には予算を相当かけているだけにプレッシャーが強かったという面があるんだと、トークショーを聞いて思いました。小堺監督、ごめんなさい。

自分は、一度思い立って都内の自宅から静岡まで100キロちょい徒歩旅行したことがあるのですが、ケイくんのように体が動かなくなる辛さが凄くわかる。マメが二回も続いて割れたり、暗い夜道の中ポツンと街灯だけが光っているのに恐怖と安堵を感じたりと、小便したいのにコンビニが見当たらなかったり、当時の辛さが蘇ってきた。目的があるだけに頑張っている様子は応援したくもなるんですが、自分は何の目的もなくただ歩いていたのを思い出すと、ゴールにSEXがあるというケイくんには羨ましさがでて鑑賞しながら少し途方にくれました。まー、目的があるとさ、人って変わるんですよ!それが、SEXだし!そりゃ、2日で100キロ走るのに挑戦もするわな!


音楽は、元AV監督のGOLDMANさん。この日は、月刊平野勝之の特集の一部として「青春1メートル」という、応援メッセージ(?)のVTRが。平野監督を「昆虫AV監督!」と放ち、応援なのか何なのか分けがわからないワンカットの中に、AV難民同士の仲良し感が出ていて、バイブは「きたねー」っと思いながら笑いました。

本作は再上映も決まっており、その時にはCDも販売するとか。「まんずりベイビー」を手にする為に、もう一度足を運ぼうと思う。



そうそう、この日一番驚いたのがこの「青春100キロ」も収録される14時間のDVDBOXが5000円だとか!これが、AVの相場なのかな?本中さん、大丈夫か!?
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