不死子

インディ・ジョーンズと運命のダイヤルの不死子のレビュー・感想・評価

1.0
大激怒案件です。ネタバレです。
でもあえてネタバレボタン押してません。

こんなに酷評すること無い。
制作陣、というか監督の浅はかな考えが見え見え。
今までのオマージュや名シーン名セリフをやたらめったらにただ入れればファンが喜ぶとでも?
こんな何十年も続いてる作品についているファンはそんなもので騙せないと思いますけど。

インディの記念すべき最終作にこんなこと言いたくないけど、こんなのインディじゃない泣
全然インディが主役じゃない、新キャラの娘が主役。
いやこれだけだったらね、こんなに不平不満たれてない。
惹き込まれるようなヒロインで共感できるようなキャラだったら、そりゃインディももう年だしそんなインディを助けるように大活躍して目立ってても全然良かったと思う。

それなのになんだ?このキャラは。
ただ金の為にインディの邪魔をして、売りさばいて。私には金しかない、って。そりゃ父親が研究にのめり込んで不遇の扱いを受けていたからそうなったのかもしれない。
だとしたらその描写をもっと入れろよ!金しかない、でも父親には暗号の解読法などを教わってた。なら実は父親の信念を受け継いで1人で研究の継続を頑張ってたとか、そんな理由が明かされていれば!
それさえも無く、インディに本当に金だけなんだなお前はと言われ、言い返しもせず結局それについてはなんの言及もなく終わったので本当に金の為だけだったんかいって薄っぺらいキャラになってる。
そのくせ知識だけはあるからインディすらも翻弄して、ってそれただの嫌な女!そうとしか映らなかった!その時点でキャラ作り失敗してますよ監督。
何度でも言うけどこんな長く続いてきた名作の最終作に、新キャラを入れてさらにその新キャラを主軸に据えると決めたのであれば。
そのキャラが長年のファンに受け入れて貰えるよう努力をするのが当然では?
その努力は一切見えなかった。

この娘キャラの女優を悪くいうつもりは無い。今回で知ったので調べてみたら脚本も手がけていて受賞もしていて素晴らしい俳優であり脚本家でもあるらしい。
そしてファンのコメントを見ると今回のこの娘キャラのような奔放で強気なキャラがこの人の売りらしい。
そこまではいい。
だから、それをこの長年続いてきたインディシリーズに出すな!って言いたい。
長年、ということはまさに老若男女のファンがいて浅くも深くも好きになってる人がいる。そんな皆が見るような映画に、名作に、しかも最終作に、その女優ならではの節を出す必要は一切なかった、ここじゃない!出すのはここじゃない!とひたすらに思う。
もちろん決めたのは監督で、そういう意図があったのも監督だからこの女優を否定したい訳では無い。
ただ本当に間違いだった。

そして冒頭のシーン。
正直CGで若いハリソン・フォードが出た時はびっくりしたし興奮した。
SWシリーズのドラマのように、今ではこんな精巧に若い時の顔を復活させられるのか!って改めて驚愕した。

でも現代に戻り、あのオックスフォードでバリバリ教授をやっていた姿はどこへやらインディのなんだか寂しい生活が垣間見える。
なんと息子が無くなっていたのか…そして時代もあるのかそういう切ない扱いも受けているインディの描写に、寂しさ悲しさを覚えて……

でもそんな冒頭の描写を、伏線へと変える素晴らしい展開が最後に待っていたかに思われた。

まさかのアルキメデスの時代についてしまい、インディがそこに残るというシーンである。
考古学者としてはこれ以上の幸せはないだろう。ここで死ぬとしても本望だと。
いくら今作でイタリアの歴史に深く触れたのが初だとしても、インディは考古学者なのだから。
この時代に残り、考古学者としてインディ・ジョーンズとして、最高の終わりを迎える。

何より現代に戻る理由はもう皆無に等しい。
それが冒頭シーンで描かれている、と私は思った。
あんなに寂しいシーン、描写、息子の死……そんな絶望要素を入れたのは、全てはインディが最後この紀元前の時代に残りここで考古学者としての人生を終えるんだ!という最終作としてはなかなか面白くてロマンチックなエンドを見せてくれるためだと思っていた。

そ れ な の に !

またしても娘キャラが重症を負って泣きそうになっているインディをぶん殴って無理矢理帰還。
っていやそれどういう話だよ。

は?って思いました。目が点になりました。

そもそもそこまでインディに対して未練があるなら最初から裏切ったりするな…そしてそこまで未練があるような描写もないからなおさら不自然。
本当足りない描写がありすぎるのに、娘キャラのフィアンセ登場からのカーアクションとか無駄なシーンだけが無駄に長い。

連れ戻した理由として、歴史を変えてしまうからなんて最もらしいこと言ってましたけど、初っ端からアルキメデスの白骨死体はバリバリ腕時計付けてただろうが……
そもそもあの時代に派手に飛行機飛んだ時点でそんなもの変わるもクソもないんだよ。
何無理矢理納得させようとしてるの?そういうセリフからもいちいち、誤魔化そうとしてるような意図が見えて気分が悪くなるの。
不愉快。

完全に脚本失敗してる。

辻褄が合わないところは他にも細かくいっぱいあったけど、それは言ってたらキリがないしそんなのは他の映画にもよくあることだからわざわざ言いませんが。

これがインディの最終作だなんて信じたくない。

でもハリソン・フォードは年取ってても最高だったし本当に今まで最高のインディを見せてくれてありがとう、という感謝とリスペクトを込めて評価はかろうじての1.0です。

そしてマッツのナチ軍服は本当に最高だった。

でも最後……死に方もなんか微妙だったのもあるし、あそこでアルキメデスがわざわざ腕時計をとる理由は何?あの白骨死体のシーンに無理矢理繋げてるの?とか、もっとマッツ演じるフォラーの執着していたものにまつわる最期とか、演出とか、なんかとにかくもっとあったでしょ……ってもうほらこうやって不満が止まらない。

バンデラスもあんなあっさり死ぬことないでしょ……デスペラードですよ?アントニオバンデラスですよ?そりゃハリソン・フォードのように歳をとったからといって、あんな扱いないでしょ。
ファンサなのかスペゲスのつもりなのか知らないけど、あんな扱いされるならバンデラじゃなくても良かった。
そもそも親友なんて話初めて聞いたからな。

もう本当全てが無理矢理、滅茶苦茶。

リスペクトが一切感じられない。

こんなに私は映画を酷く言ったことないです。
不死子

不死子