マンチェスター・バイ・ザ・シーのモルボのネタバレレビュー・内容・結末

ただ単純に感動したという作品ではない。言葉で説明することは難しいが悲しみや苦悩、葛藤様々なものを抱えているやるせないリーを見ていると感情が込み上げてくる。大きな展開がある映画ではない故に身近に感じ感情移入しやすく没入した。リーは無愛想ですぐにイラついてしまったりするのだがそれは過去の出来事が原因であり、それによって悩まされ心がボロボロなのであった。多くの映画では辛い出来事を乗り越えていく物語が多い。だがこの映画ではリーは辛い出来事を乗り越えることができないのである。自分はそこに現実味を感じ、他の映画にはない味があると思った。自分は元奥さんとの会話のシーンが一番印象に残った。お互い子供を亡くしたことによって心がボロボロであった。奥さんは過去の出来事に起こったことに対してリーを強く責めていた。そのことを後悔し、謝罪をしたかった。しかし、リーは自分のしてしまったことに対して強く責任を感じており、責められて当然だと考えていた。お互いに対して申し訳ない気持ちが交錯しもどかしいこのシーンは私の心の琴線に触れた。