てつこてつ

ウインド・リバーのてつこてつのレビュー・感想・評価

ウインド・リバー(2017年製作の映画)
3.2
実際に起こった事件から“着想を得て”制作された作品ということで・・。

ワイオミング州の先住民族居留地で発見された若い女性の死体と、その事件の真相を追究するストーリー展開としては、ミステリー要素がやや物足りなく、「まあ、こういう事件は有り得るだろうな」と想像の域を出ることはない。ただ、その事件の真相の見せ方のタイミングは上手い。

意外な真犯人や複雑に絡み合った事件の真相といった要素を期待し過ぎに鑑賞する分には十分に楽しめる。自分がアメリカの先住民族が置かれている立場や彼らを取り巻く問題などを語るほど知識も無ければ資格もないが、そういった人種問題を全面的に押し出してくる訳でもなく、最後にテロップであるショッキングな事実だけを告知する作りもいい。

ジェレミー・レナーが好演。娘を失った父親を演じた実際の先住民族の役者の抑えながらも確かな感情が伝わる演技も素晴らしい。

マイナス20度まで気温が下がるワイオミング州の山岳地帯の真っ白で凍てつくような寒々しい描写も作品のテーマにマッチしている。

これくらい寒い極寒の地ではジョギングは控えたほうが良いというのは凄く勉強にもなった。
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