『別離』が殿堂入り級の傑作だったため、同じ監督の本作も鑑賞してみましたが、こちらはちょっと重苦しい雰囲気が強すぎて、苦しかった。
「表沙汰にしたくない妻」と、
「犯人を捕まえたい夫」
どちらの気持ちもわかる。
この二つの対立感情はおもしろいドラマを生みそうだが、これがあんまり面白くならない。
劇中劇の「セールスマンの死」も、そのセリフが本人たちの気持ちを代弁しているんだろうなぁ、ということまではわかるのだが、それ以上の驚きやカタルシスはない。
「罰するべき」か、
「許すべき」か。
深いテーマが語られており、見応えはあるのだが、残念ながら、少し期待し過ぎてしまったようだった。
公開:2016年(イラン)
監督:アスガル・ファルハーディー(『彼女が消えた浜辺』『別離』)
出演:シャハブ・ホセイニ
受賞:米アカデミー賞外国語映画賞ほか。