〈世界の映画作家vol. 227 アピチャッポン・ウィーラセタクン〉
1:10開映(前日23:00開映『世紀の光』、3:20開映『光りの墓』)
作品がどういう現実性の領域へ踏み込んでゆくかは、冒頭でいかに観客の心を掴みとりうるかに大きく依拠しているはずで、そうだとして、本作はその最初のステップを、ユーモラスに踏み得ていた。時間の多層性が空間の多層性として、あるいは現実と夢の多層性として、もっといえば、映画と非映画の多層性として表現されていたように思う。『セノーテ』を思い出した(撮られたのは、むろん本作が先んじるわけだが)