デイジーベル

IT/イット “それ”が見えたら、終わり。のデイジーベルのレビュー・感想・評価

3.6
「アラフォー世代を、か…完全に狙い撃った、な…泣けるホラー映画」

子供の頃に「ホラー映画」や「スタンドバイミー」を好きになった人は、恐らくスティーヴンキング原作の映画を漁って観てきた筈。その中でも取り分け自分がハマった作品のひとつがイット(前編のみの話)だ。
この時代にホラー映画(ステーヴンキング原作映画)を観てた人ならば避けては通れない道(作品)。
27年という年月が″ノスタルジー″を嫌でも加速させる。(物語の中でも27年はキーワードの1つだ)
更に、時代設定が当時に近づけられている事も要因の1つとなっている。
[勿論、若い人達にも人気がある事は確かだ。アメリカでの大ヒットがそれを証明している。それでも、アラフォー世代の人達には、より胸を打たれる作品である事は間違いないだろう]
次作では、現在の自分の年齢前後の設定になる事からも、更に別の意味で恐ろしい。(私達アラフォー世代は、またもや胸を締め付けられる事になるだろう)


そして80年代のメロディーに彩られたシーンなどは涙を堪えるのに必死になる始末…(>_<)


この作品は、″負け犬″達がそれぞれに抱えている問題や、恐怖(その象徴がピエロでありペニーワイズだ)と正面から向き合う物語であり、更に仲間との友情や、淡い恋心も加わり、正に青春ストーリーど真ん中の、最高にアツイ夏の物語になっている。(ホラー映画である事には変わりがないのだが、″怖さ″だけを求めると肩透かしかも知れない)


ペニーワイズとの決戦では、圧倒的暴力と背徳感にカタルシスを感じずにはいられない。


少年時代の終わりを告げるラストシーンは、きっと忘れがたくなる事だろう。


【余談】だが、最近アラフォー世代を狙い撃ったとしか思えない作品が多い気がする…。