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チア☆ダン 女子高生がチアダンスで全米制覇しちゃったホントの話のトルーパーcomのレビュー・感想・評価

4.0

#チアダン
2006年に創部した福井商業高校のチアリーダー部「JETS」が、わずか3年後の2009年に全米チアダンス選手権大会で優勝するまでを描いた実話ベースのスポ根ドラマ。

今どき、やればできる夢はかなう的な話はともすれば陳腐になりがちだけれども、本作は女優陣の演技のよさもあり気にならない。

ストーリー的にも創部から優勝まで道のりが一直線で、チームとしての挫折/主人公・部長・顧問3人の挫折と成長がわかりやすく描かれていて見やすい。

クライマックスのダンスシーンもよくできており綺麗に着地してくれ安心。

■女優陣が魅力的
・広瀬すず
主人公。彼女は田舎くさい少女の演技がうまい。
あたり前のことだけれど役者は年をとる。30代前半くらいになっても、20代くらいの役を長く演じることはできるけれど、少女時代を演じられる期間は短い。本作は海街diary/ちはやふると並んで10代の彼女の魅力があふれているので、10数年後にも見返す価値がある作品。

・中条あやみ:部長。とにかくかわいすぎる。このキャラの存在が主人公を引き立てている。

・天海祐希
顧問の先生でもう1人の主役。
現代的な学生スポーツの価値観からすると最初は共感できないキャラかもしれないが、彼女のラストはとてもよかった。
この人は日本一の美人なのにコメディができるの本当にすごい。
無造作にはねあがってる髪の毛の毛先まで決まってる。
宝塚出身女優の陽月華が一瞬ゲストでくる小ネタも良かった。

その他脇役キャラでは山崎紘菜/富田望生/柳ゆり菜が良かった。

■先生に恩返し
映画版の公開後に、明石家さんまの『あんたの夢をかなえたろかスペシャル』というTV番組で、歴代JETSのメンバーたちが、顧問の先生(天海祐希の役のモデル)に恩返しをするという企画が放送された。
映画が楽しめた人は必見。どこかネット上に落ちてると思います。

■ドラマ版
ちなみに、本作は翌年に世界観を同一にするTVドラマ版が製作されている。映画の9年後、姉がJETSのメンバーだった主人公が、別の高校のチアダンス部に入って打倒JETSを目指す話。

映画がやや古風な王道スポ根モノだったのに対し、ドラマ版は楽しんで頑張る道もある/部活を通じて少しだけ成長する、勝利以外にも意味がある的な割と現代的な価値観を打ち出していて、これはこれで面白い。
主演の土屋太鳳を始め、佐久間由衣/山本舞香/石井杏奈/大友花恋らの脇キャラが立っているのはこのテーマによるところが大きい。

映画版が気に入った人は特に第1話がおすすめ。
前述のバラエティ番組を見てから視聴すればけっこう泣ける。

2話以降も、ドラマ部分はそれなりだけれどダンスシーンがある回はけっこう楽しめるので完走する価値はまああるかも。
個人的には委員長キャラの佐久間由衣と、ちょっとふてくされてる山本舞香のキャラが良かった。

【スコア】
★4.0で。
割とベタだけれど話がわかりやすくキャラも魅力的。
ウォーターボーイズやスイングガールズなどと似たような熱血部活モノだけれど、それらと比べると画面のトーンが若干TVドラマ的で軽いところがやや減点要素。
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