なんとなく雰囲気だけは、ソレこそ『愛のコリーダ』にも或いは少し後の『ツィゴイネルワイゼン』にだって似てなくはないかな…て感じもするのですね。ただ、そーいった同年代の文芸的な作品と比べると、今作は悲しくなるホドに中身がねーのですよ。今となってはキャストが比較的豪華（蟹江敬三や石橋蓮司、鹿沼えりとかだって）な分、その彼ら個々に背負わせたお話とゆーのには（彼らの演技の出来も相まって）それなりに観れなくはないクオリティが在るのかも…とは思います。しかし、全体として結局ナニが言いたいのか、といった根本的なテーマとゆーのが最後まで観てもまるで見い出せないのですよね。正直、ナニがしたかったのかサッパリ分かりませんです（そりゃ、松田暎子で二番煎じを…てコトでしかなかったのかも知れませんが、ソレで満足するような人達なんでしたっけ？と）。
あとコレは完全に私見ですが、どだいそもそも松田暎子ってのは結局ソコまでの美人でもねーのであって、だから阿部定には逆にハマってたと思いますケド彼女を連れてきてバーン八百比丘尼でーす！ってコンセプト自体に「ムム、どーかな…？」と疑念を抱かずには居られない…と言いますかね。加えて更に、今作はその八百比丘尼を現代のお話として描いてるじゃねーですか。尚更に生活感・日常感とファンタジックみが（＋そしてその中に描かれるエロス自体だってやはり）諸々と実に中途半端になってもーてる気がしちゃいますよね。その意味でも、ちょっともはや安直な作品にも思えてしまいました。無念…
