『シンプソンズ』を手がけたことで知られるリッチ・ムーア監督が、ディズニースタジオとタッグを組んで贈るアニメーション。2012年公開第1作の続編となる。
ヴァネロペとラルフがアーケードの世界を飛び出し、今度はネットの世界で大暴れ。普段自分たちが使っているスマホやPCの中の世界がアニメーションで華やかに再現され、単純に目が楽しい。ネットの良いも悪いもひっくるめ、その全てが視覚を通じてダイレクトに伝わってくるから、没入感抜群だ。
前作お馴染みのキャラクターも勢揃いし、物語を盛り上げる。新キャラのシャンクはカリスマ感溢れるクールな女性で魅力的だし、声がガル・ガドットというのもピッタリ。そして何より、ディズニープリンセスが大集合を果たすシーンの豪華さときたらない。単なるボーナス演出ではなく、ちゃんと物語上で重要な役割を担うのも良い。
一方、こちらも前回とあまり変わらないのだが、脚本に粗が多くてどうにも腑に落ちない。ヴァネロペとラルフの友情は確かに美しいし、泣かせる。しかし、ラルフの自己中心的で子供な性格はまるで成長しておらず、「一件落着」で済ませて良い話と思えない。
今回はヴァネロペも相当酷い。本作が「与えられた役割からの卒業」を訴えたいのは分かるが、彼女のやったことは単なる「責任の放棄」だ。これだけ主人公に好感を覚えないアニメも珍しく、観客支持率の異様な低さはその証拠と言えるだろう。
⚫︎トマトメーター
・批評家支持率：88％
・観客支持率 ：64％
「本作は核となるキャラクターとその人間関係に焦点を当てながら、カラフルな世界を拡大した心温まる続編で、前作をさらにレベルアップさせている。」
