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ナラタージュのmoviのネタバレレビュー・内容・結末

ナラタージュ(2017年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

回想として物語が描かれている。

この描き方が、
彼女へ向けた未来ある終わりに繋がっていて良かったです。

【先生と生徒】ものでありながら
同時期の『先生』より何十倍も..←

『ナラタージュ』は、高校生活後を長く描いてるのでそもそも『先生』と比べるものではないのかもしれません。が!!少なくとも20代女子はこっちだと思うけど。

少し長く、特に後半は重いことが重なったけど、気持ちを行動に移すには、このくらいのことがないといけなかったのかもしれません。

行定監督のしっとりした映像も好きだったし、どれも描きたかったシーンのように思います。回想だからかノスタルジックな描き方が凝っていて素敵でした。

物憂げな目力40%の松潤は、時々松潤感があったけど、彼女の回想のなかだから許される程度で魅力的でした。

葉山先生の曖昧さや弱さが見えた時には、
泉と同じ気持ちになれました。
登場人物の思いが丁寧に描かれていて、観ていて感情が取り残されることはなかったです。

そして、有村架純ちゃんが上手かった。ちょっとびっくりしました。『ひよっこ』をみて、何か変わった気がしていましたが浴室で髪を切るシーンとか表情の変化や、声のトーンで感情がすごく伝わりました。

壊れるくらい、貴方が好きでした。
この気持ちもとてもよくわかる。

そして坂口くんの小野くんも、
とてもわかる。

言わない方が良いとわかりながらも
剥き出しになってしまう
抑えることができない心も。

豹変したと言われてしまうかも知れないけど、それは、本当に大好きな人を思う気持ちがその人に伝わらない苦しさやズレなんだと思います。

一緒に荷物を持ったり、
気が落ちた時に突拍子もない提案をして、更に今までとは違う地元の方言が出てるところ前半は、ほのぼのしててキュンときましたしね。


妻の人生は動いていたーー
お義父さんの一言で自分だけが過去に留まっていることに気づいた葉山先生。
葉山先生からの時計の針だけは未だ回せずにいる現在の泉。その針に例え意味がなくなっていても、回す気はなかったのかもしれない。

でも気づくと
ふとした人が、
その針を回してくれた。

ふとした時に人生がまた動き出す、
そんな描き方が素晴らしかったです。

因みにこれ、男性の感想はどうなのだろうと気になりました。誰に感情移入するのかな。
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