ちゃんしん

アイヒマンを追え! ナチスがもっとも畏れた男のちゃんしんのレビュー・感想・評価

3.0
罪の判断 。

戦争犯罪者の罪の判断は難しい…。
第2次世界大戦においても敗戦国の者が全て悪いとは言い難いし、戦勝国が全て良いとは言えない。
確実に言えることはその戦争当事国の指導者が一番悪く、その指示に能動的に従う者にも罪があるということだ。
戦争はその国の支配者、指導者が自らのエゴで引き起こすものでしかない。
もし指導者を悪であると理解していたとすれば、それに能動的に従っていた者はその行動を悪と理解して従っている。 これは罪にしか当てはまらない。
しかし指導者を善だと理解していたとすれば、能動的に従っていた者は善だと思って行動している…。
さらに戦勝国と敗戦国という立場の違いがあり、勝った方が善悪の判断をするという不合理さが存在している…。

ここに難しさの本質がある。
全ては中立性、その判断の独立性がないことが問題なのだ。

しかし、悪と理解しながら能動的に従う者は悪でしかない。
それは言い逃れ出来ないだろう。
悪に加担するもしないもそれは個人の判断に委ねられるからだ。

どう行動するかは自分次第。

知らずに悪に加担していたとしても悪と判断したなら反省し、その償いをするのは当たり前であり、その償いを終えて初めて赦されるものだ。
償いをせずにやり直そうとするのは卑怯としか言えず、悪に対する犠牲者は浮かばれないし、悪という事の事実と罪の重さを理解すらされない事態になってしまうだろう。

悪は悪、罪は罪として、しっかりと対処することが未来に繋がる。
じゃないと誰も反省なんかしない…。
ちゃんしん

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