ムール貝のワイン蒸し

WE ARE Xのムール貝のワイン蒸しのレビュー・感想・評価

WE ARE X(2016年製作の映画)
3.8

映画は、父親の死に始まり、TAIJIの解雇、幼稚園時代から一緒だった親友Toshlの脱退と洗脳、そしてHIDEの急死…。一人が背負うにはあまりにドラマチックすぎる悲痛な出来事がこれでもかと描かれていて途中途中で、涙を誘ったけれど、鑑賞後は不思議とポジティブな気持ちになれた。それは、XJAPANの作り出す楽曲と同様に、どんな悲劇や困難があろうと前に進み続けようとする無限のエネルギーが充溢しているからだと思う。

見終わった後、Yoshikiのインタビュー記事を読んで泣いた。内容は以下。
「自分は1回死んでいると思っているんです。1回どころじゃないですね。父親が自殺した時もそうだったし、HIDEが亡くなった時もそうだし…自分はこれまでに何回も死んでいて、今生きていること自体が奇跡みたいなもの。ファンの人たちにいただいた第2の人生、第3の人生を歩んでいると思っているんです。だから、いただいた人生をちゃんとまっとうして、ファンの人たちにお返しがしたい。海外活動についても、HIDEやTAIJIの夢だったから、その遺志を継いでやるべきなんだという想いがあります」

お母さんでもこの子は大人になれないなと思ってた、か弱い青年が、ドラムを力強く叩き、美しいピアノを弾き、XJAPANを率いて世界で戦っている姿に、僕は拍手を送りたいし、微力ながら応援しながら、これからも彼らの活動を見守っていきたいと思う。