上海十月

性的犯罪の上海十月のレビュー・感想・評価

性的犯罪(1983年製作の映画)
3.8
6年前の感想を掲載。崔洋一自選特集で近代フィルムセンターに2度目。「十階のモスキート」からの2作目で個人的に崔監督の実質デビュー作じゃないかと思える。「十階のモスキート」は、内田裕也にコントロールされてしまった崔監督の感じがある。(内田裕也なのでしょうがない)今回は、風祭ゆきVS三東ルシアによる対決メインで映画に集中できた。美女二人にもてるのは、河原さぶだった。最初わからなかった、なぜなら髪の毛ふさふさで筋肉質だったからだ。前半にセックス・シーンを集中させて後半・悲喜劇とも言える展開と愛憎劇が繰り返され今村昌平の重喜劇の様相だ。河原さぶ演じる情けなく植物を愛でる絶倫男に2人の女が振り回されているが、だんだん女に振り回されているようにも見える。そして、ラストは、女の嫉妬で幕切れとなる。崔監督のお父さんがポルノなのに社会派な映画といったのは、頷ける。昔のレンタルビデオ屋には、あったかもしれないが、もはやAVに駆逐され鑑賞の機会を失ったにっかつロマンポルノ。でも多くの映画人を輩出する日本最後のスタジオ・システムだったのだ。そのため近代フィルムセンターでしか観れない貴重な映画になったしまったと思うと感慨深い。
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