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国選弁護人ユン・ジンウォンのyuuuumiのレビュー・感想・評価

3.9
警察・検察・裁判所という国家権力と戦う3流と言われる弁護士を描いた法廷サスペンス。
韓国の映画祭で脚本賞を受賞した作品。

韓国映画やドラマで度々耳にする地方大学出身者への厳しい現実。大学は卒業していてもどこの大学かが重要で、この作品に登場する弁護士もそういった地方大学出身であることだけで3流弁護士と言われてしまう韓国の悲しさ。

担当検事VS弁護士のバチバチ感がみどころで、味方のいない弁護士側は国民に賛同してもらう事に。

このような作品を観ると法曹界は狭く、簡単に窮地に陥れてくる世界。懲戒委員会は恐ろしく、利害が一致しないと首を締めてくるし、正義なんて実は存在しなくて損得しかない世界だと感じてしまう。

この作品の法廷での裁判シーンはとても丁寧に描かれていて臨場感がありました。この事件の真相を知った時、有罪と思うか無罪と思うかは観る人によって感じ方は変わるかもしれません。

被告人の弁護をした弁護士も、記事を書いた記者も、それぞれがただ『仕事をしただけ』と目の前の事実を追及しようとする姿は素敵でした。
派手なシーンはありませんが、俳優さん達の演技に引き込まれると思うので、じっくり鑑賞したいと思うなら面白い作品であると思います。
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