KKMX

夜、逃げるのKKMXのレビュー・感想・評価

夜、逃げる(2016年製作の映画)
3.6
ミニシアターエイドの特典である、サンクスシアターをついに観始めました。一発目は割と短く評価も良さげな本作を選びました。
感想はまおも。いい作品だとは思いましたがハマらなかった。

29歳のカナはマン喫でバイトしながら劇団員を続けている女性。プライベートも演劇も行き詰まっており、無為な日々を過ごしています。
そんな時に、高校時代彼氏を寝とったハイテンションの女が現れて一悶着起きますが、2人は意気投合します。そして…というストーリー。


カナが所属している劇団の、狭い世界が故のドロドロした関係性とか、カナの無味乾燥な毎日とかが非常にリアルで、この感じで29歳を迎えたらキツいだろうなぁとの印象です。ハイテンション女も男に依存気味で、しかも愛されていない。キャバ嬢なので加齢は自身の市場価値を落とすでしょうし、積み重ねも無さそうなので彼女もドン詰まり。なので、2人が意気投合するのもよく理解できます。
海辺で熱くぶつかり合うシーンは爽やかで良かった!内面をぶつけ合えるのはやはりグッと来ます。2人とも基本情熱的なのがいいね!熱いタイプの人が現実に適応しすぎるとだんだんニヒリズムに侵されますからね。2人で魂を取り戻していく姿にはさすがにヤラれました。カナが演劇を続ける意味に気づくなど、特に後半は見所多いです。


とはいえ、正直合わなかったんですよね。これは作品云々ではなく、おそらく俺自身の老いが原因だと思います。
とにかく、ハイテンション女と劇伴のガールズギターロックがガチャガチャしてしんどい。生理的にキツかった。本作の雰囲気も全編にわたりテンションが高く疲れました。
以前は『勝手にふるえてろ』とか面白く思えましたが、もうダメかもしれんな〜😢
元気なガーリームービーは多分もう観れないでしょう。これからはタルコフスキーとかジジイが好きそうな地味なヤツばかり観ようと思いました。

ちなみに、劇団のリーダー格っぽい女優役は、2020年下半期邦画最強作品『ふたつのシルエット』のヒロイン役を演じた佐藤蛍さんでした!いや〜アガった!すっかり佐藤蛍さんファンになっています。
KKMX

KKMX