■潮騒がずっと聴こえる…。
この切なすぎるガールズムービーが世間で全く評価されず、“失敗したエロ映画”としか認知されていないのは、ズレすぎた邦題に原因があると思います。
これは、中盤から後半にかけてどんどん可愛くなっていくアレクサンドラ・ボルティチが魅力的なのと、疎遠になった父親を訪ねる友だちとボルティチがとっさに名前を入れ換えて彼と接するという奇抜な脚本が見事。五回くらい観ましたが、その度に三人の感情の揺れ動きにハッとさせられるし、新しい発見があります。
撮影方法ですが、たぶん特別な照明やグレーディングをほとんど使ってない自然光で撮られていると思います。黒海周辺(クリミア半島)の自然がそのまま映し出されていて、「偶然この光が撮れたんじゃないか」というような瞬間がたびたび訪れます。
女性監督なので、女性の心理/心情の変化を細かく描いてそれが登場人物たちの行動を大きく変えていくのもポイント。男性の自分には彼女たちの気持ちの変化が分からないシーンもあって、この映画を女性がどう観るのかも興味があります。
父親役は名作『父、帰る』で同じく父親役を演じたコンスタンチン・ラヴロネンコ。
そして原題は、
🔴『Kak menya zovut』🔴(私の名を呼んで)
です。
…誰も評価しないので長文を書きました🎦普段はこんなに書きません💫