とんちゃん

劇場版 はいからさんが通る 前編 ~紅緒、花の17歳~のとんちゃんのレビュー・感想・評価

3.4
子供の頃、妹が見ていたTVアニメ。
当時の少女漫画原作アニメでは唯一見れた作品。
原作も実写南野陽子版も宝塚も知りません。
このTVシリーズは大人の事情とやらで最後まで放映されず途中で打ち切りとなっていたのですね。この打ち切られた事を知ったのはつい先日で、TVシリーズの後半は端折られたストーリーだったとは…
それで今回は本来のストーリーを知りたいが為に鑑賞しました。

前編はテンポ良く懐かしい面々が見れた。
蘭丸や牛五郎が懐かしい。
ちょっとだけですが酒乱童子も出演
個人的にはお引きずりさんも欲しかった。
演奏だけですがTV主題歌も流れて嬉しいですね。前編から後編の前半まではTVシリーズのダイジェスト版とした感じ。
後編はTVシリーズで無かった部分を意識していたせいか丁寧に作られている。
鬼島軍曹が伊集院忍を小隊長殿と呼称する、馬賊をしていた時も小隊長と呼んでいたが、日本へ帰国してから少尉殿と呼ぶ様になる。どうでもいいんだけど気になっていたので
(改めてTV版を見たら、満洲で紅緒と会った時点から少尉殿に呼称が変わっていた)
少尉が記憶が無くなり、ロシアで現地の女性ラリサと一緒になるくだりはソフィアローレン、マルチェロマストロヤンニの「ひまわり」を思い出す。
そして関東大震災…

ラスト
「生きていく、〜この東京の空の下」
このナレーションが良いですね〜
ちなみにこのナレーションはTV版花村紅緒の声優である、よこざわけい子さんが担当してます。

今回劇場版で本来のストーリーを知り腑に落ち満足でしたが、花村紅緒のキャラクターが合ってない感が半端なく感じられた。
キャラクターデザインだけでなく、表情や声質などなど
TV版のイメージが強く残っていたせいかも知れない(何十年も前なのに笑)
その当時の花村紅緒を見たさに、声が聞きたさにYouTubeなどで探すも無し、こうなったらDVD BOXでも買っちゃおうかと思ったけど、ひとまず呼吸…💦

配信で探していたらdアニメストア(アマプラ経由)に有ったので1ヶ月無料を行使して視聴。

以下、TVアニメの感想(アニメカテゴリーに無かったので登録申請中)

時は大正、浪漫の時代
花なら蕾の花村紅緒
歳は17、はいから娘
これがひとたび竹刀を取れば
あに図らんやのじゃじゃ馬剣法
ところが縁は異なもの味なもの
ふと知り合ったのはこれがまたハンサムな金髪陸軍少尉
さらばお手並み拝見と
挑んだまでは良かったが
意外や意外、
親が決めた許嫁だったとは…
(第二話冒頭より)
こんな講談みたいなナレーションが毎回ある。笑

子供の頃に見ていた時には気づかなかったけど、大正時代の出来事やファッションに流行歌も忠実に再現されている。
流行歌では“命短し恋せよ乙女”で知られる「ゴンドラの唄」が流れる。これは黒澤明の「生きる」で志村喬が唄うシーンを思い出す。「生きる」では戦後だったけど、元は大正時代の曲だったのかと知った。劇場版でも流れます。
他にも「まっくろけ節」や紅緒が酒に酔うと必ずと言っていい程歌う、パイのパイのパイこと「東京節」がいい。
パリコとバナナでフライフライフライ♪

こうやって見るとやっぱりTV版の紅緒がいい。昭和のアニメな為に大雑把感があるけど、キャラクターデザインはこちらが好み。
キレるとハイトーンになるボイスも好き。
改めて見ると滅茶苦茶ケンカが強い。
劇場版でも強かったね。
薙刀一本で単身で大日本帝国陸軍へ殴り込む姿が凛々しい。陸軍兵が束になってかかっても紅緒一人に勝てない…笑
劇場版では出てこない憎っくき印念中佐の上官の中将の口癖「あやや、およよ」は笑えた。

第三話で酒で酔っている紅緒を諫める為に少尉が紅緒に叩くシーンがある。
紅緒「ぶった…生まれてこの方、お父様にだってぶたれた事はないのに…」
まるでブライトに叩かれたアムロの言葉と酷似。しかしこのシーンはガンダムより一年も前に放映された。
つまり、このシーンが無ければガンダムのあの名シーンも生まれなかったかも知れない。(はい過言です笑)
他にもガンダムと共通点は同じテレビ朝日系でどちらも視聴率低迷の為予定回数より少なめで打ち切られた経緯あり(はいからさんは50話の予定が42話、ガンダムは52話の予定が43話)。
仕方ないと言えば仕方ないけど、どちらも予定通りに完結して欲しかったなあ


劇場版観て気に入った方は是非TVシリーズを観て欲しい。
そしてその感想を聞きたい

ごきげんいかが〜
べにおで〜す♪