るか

THE BATMAN-ザ・バットマンーのるかのネタバレレビュー・内容・結末

4.7

このレビューはネタバレを含みます

The Jokerの衝撃からその系譜を受け継いだ作品。いい意味でヒーロー映画らしくなくサスペンス映画に近く、ゴードン警部補やキャットウーマン、アルフレッドなどのお馴染みのキャラはある意味エッセンスで「正義」に取り憑かれる主人公の葛藤がメイン。
ゾディアックから影響を受けたリドラーのヴィランとしての魅力も素晴らしくポール・ダノの演技も見事。取り調べ室でのやり取りはダークナイトの有名なワンシーンを彷彿とさせ垣間見える狂気も最高。
印象的だったのは作中何度も出てくる画面の中央に対象を写す画角。ペンギンとのカーチェイス後や最初のリドラーの登場の仕方、廊下での戦闘など「カッコイイ」心を掴まれるものだった。
脚本に関しても突っかかる部分が全くと言って無い。全部がすっと入ってきてよく考えられているなと。いいなと思ったのはクラブに「バットマン」としてやってくるのと「ブルース・ウェイン」としてやってくることの対比、ペンギンがペンギン歩きさせられたシーン、真実を追求するうち自らの原動力でもある父の「罪」を知るシーン上げていけばキリがない。

この作品はMARVELなどで目が肥え、ただの英雄活躍譚では満足できなくなってしまった近年のアメコミファンをも魅了する新たなレベルに達した1つの完成系に近いものではないだろうか。

続編が楽しみであるもののまた2作目でジョーカーを使ってしまって3作目がシケる展開はやめて頂きたい...
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