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ゲット・アウトのMoviePANDAのレビュー・感想・評価

ゲット・アウト(2017年製作の映画)
3.7
『アプローチ、そして融合』

ビートルズの楽曲に「ストロベリー・フィールズ・フォーエバー」という曲があります🎸 この曲は、レコーディングで幾度もテイクを重ねていった中で生まれた曲。言ってみれば、全く異なるアプローチのテイクを半ば無理やりピッチとか変えて繋いだら、なんかひとつの曲になっちゃいました💦っていう曲なんです🎵

で、この『ゲット・アウト』。
もちろん完成に至るまでの経緯は全く違うのでしょうが、そのビートルズの珍しき“いきさつ”付の楽曲誕生秘話を思い出す、これまた珍しき作品でした☺️

ストーリーの方はというと、アフリカ系アメリカ人、もっとハッキリ言っちゃえば黒人である主人公が白人彼女の実家で体験する恐ろしき体験が描かれてます。まず、向かう道中からしっかり不吉を投入。で、実家についてからというもの、それはもう不穏・不穏・不穏の連続... そして、彼女以外の全ての人々から感じられる、確実に奥歯に何かが挟まったままハグをするかの如き微妙なコミュニケーション😧

前半部、というかもうこの釈然としないじわじわ“くる”不穏さこそ、この映画の核でしょうね。そして、中盤までに蒔かれた種も、伏線としてしっかり機能してます。要はそれらでしっかり掴んでるから、展開的に“気付けば”王道とも言えるモードにシフトしてるのに、そこは気にさせずそのままの体位で後半魅せきってる❗️

あとは、仕掛けのチョイスと配置が上手かったんでしょうね😁 タイトルの「GET OUT ! 」が発せられる場面では見事思惑通りに混乱させられましたし、予告で「この場面の辺りがクライマックスなのかな❓」って思ってたら、そこがかなり早い段階で出てきたんで、そこはもう嬉しき「この後どうなっていくの~⁉️」感を味わう事が出来ました😃

この映画、恐らく着地点ありきでなく、出発点ありきだったのであろうと思うのですが、とにかくまずそのアプローチ部が素晴らしいから惹き込まれる❕😳 そして本来、映画向けの尺では無かった当初のアイディアの拡大化を図り、尚且つその拡大部との溶接的融合まで見事にキマッてる✨だから、これだけの話題性とヒットにも繋がったんだろうと思います。脚本賞獲ってるってのがホントいろいろ物語ってて、単に人種差別を絡めただけでない“巧み”という意味での、脚本の妙というのを楽しめる作品だと思いました🐼✨
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