ユウサク

娘よのユウサクのレビュー・感想・評価

娘よ(2014年製作の映画)
3.7
パキスタンの児童結婚問題を「あれ、いない……!」的なトリックショットや緊迫感のある手持ち映像、スパイ映画的な車に固定したカメラからの映像といったアメリカ映画的な味付けで緩急をつけて描く。「効果音で次のカットに移る」演出も多くリズム感からしてアメリカ映画的。監督のアフィア・ナサニエルはパキスタン人だけどアメリカのコロンビア大学で映画を学んでいるので良い意味であまりインディペンデントっぽくない骨太の作品になっている。

構想に10年、撮影も命がけだったみたいでなんでそんなことになるかというとこの映画で描かれているような女性蔑視がパキスタンに根づいているから。本当に嫌で恐ろしい話……。

ただラストの展開だけモヤモヤする。ああなる必要ないよ。婉曲的に「ああなるのがパキスタンの現実です」ってことなんだろうか。暗転に入るタイミングはめちゃくちゃ良かった。
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