三角

娘よの三角のレビュー・感想・評価

娘よ(2014年製作の映画)
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画面に入り込む六角形の光を久々に見ました。しかし荒さがある作品の方が、よくできた作品よりも快感原則や面白さの原理に近いものが見れてそういう点で楽しい。
激突みてぇなトラックカーチェイスが見れんのかと思っていたけどそれほどカーチェイスのシーンはなく、後半は主人公アッララキが結婚以後引き裂かれた母に会いたいという動機が物語を引っ張っていく。欲を言うと母子を追う2つの部族が結局疑心暗鬼や相互不振から衝突しあって自壊するところとか見たかったけどそのような展開は訪れず。
パキスタン周辺に暮らす平均的な女性の総合値がこれで、その女性たちが夢見る理想的な男の総合値がこれなんか…と思うと…もう…マジか…主人公女性を無為に助けてくれるイケメンはISを5年で辞めたやもめである。マジか…あのあたりには部族に与して抑圧してくる男しか身の回りにはおらず、私設武装組織の筋の男の方がまだマシな非日常的存在なのか、ということなんですか?と思いました。
なんてところだ…
エンドロール前に挿入される母へ、母国への文字を見て、その時の娘が実は私ですというテイで監督が出てきたら感動通り越して畏怖を覚えてしまうと思ったんですが、そうでもないのか?そうではないよね?フェイブルマンズの影響受けすぎな期待?
しかし監督の中東の美しい景色を捉えるセンス、疾走感あるシーンを作り出す手腕、素晴らしいと思いました。
三角

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